映画『ゾンビランド』ネタバレ感想 臆病者こそが勝者になれる?

観覧車 シネマ手帖・洋画
イメージ画像

笑って感動できるゾンビ映画です(笑)

コメディなのに、見終わった後の清々しさに笑ってしまいました。

そんな『ゾンビランド』の感想を語り合えたら嬉しいです。

まだ見ていない方も、よかったらお付き合いください。

ただし、ネタバレ・あらすじも含みますので、お嫌な方は、ここまででお願いいたしますm(._.)m

スポンサーリンク

映画『ゾンビランド』ネタバレ感想

あらすじがおぼろになってしまっている&見ていない方のために、簡単なあらすじを。

謎のウィイルスにより、ゾンビだらけになってしまった世界。コロンバス青年は故郷のコロンバスを目指していた。しかし故郷への帰路でタラハシー、ウィチタ・リトルロック姉妹と出会い、ロサンゼルス郊外のパシフィックランド(遊園地)に向かうこととなる。そこにはゾンビがいないという話だったが……

臆病者こそが勝者? ゾンビ映画あるあるネタ満載

またまた、世界中がゾンビだらけとなりました(笑)

コロンバス青年は、学生寮で一人暮らしをする大学生です。

テキサスで生き残っているのはコロンバスだけらしいのですが、強そうには見えないし、自分でも「神経質で腸が弱い」と言っています。

実際、彼は、よくトイレに行きます。ゾンビに襲われる確率が高くなる場所ですが、こればかりは行かないわけにはいきません。

そんな彼が生き残ったのは、自分に課したルールを遵守しているからです。

その数、なんと32。よく覚えていられますよね。

そして、このルールが“あるある”で笑ってしまいます。ゾンビ映画なのに、ゾンビ映画をからかっているのが面白い。

例えば、ルール2の「二度撃ち」。

そうそう! 確実に頭を狙って撃たなきゃダメなんですよね。

胸辺りを撃って、一見やっつけたように見えても、また起き上がったりするのがゾンビです。

仕留めたと思って近づいて、食われてしまう人を見ると、「もう! これまでのゾンビ映画から何を学んでいたのよ!?」と思ってしまいます。

また、ルール11の「静かに行動」。

これも、山ほどのゾンビ映画から、ゾンビは音のするほうに寄ってくることが分かっています(笑)

なのに、うるさくする人とか、なんなの!?って感じですよ。

他にも、準備体操をするというルールがあるのですが、これを、ゾンビと一戦交えるかもという時に、コロンバス青年は真剣にやります。

タフガイのタラハシーから「マジか」なんて言われちゃいますが、いいじゃないですか。ねぇ?

なぜコロンバスくんがモテなかったのか、本当に不思議です。すごくかわいい男性なのですが、たぶん、若い子たちには分からない良さだったのでしょうね……。

ゾンビがあふれる異常な世界になる前から、彼にとって、世界は楽しいものではありませんでした。

友達も彼女もおらず、遠く離れた家族とも仲が良くなくて疎遠。

でも、世界がゾンビランドとなってしまい、彼は以前の世界を懐かしみます。

もし昔のような世界に戻ったら、なんて、虚しい空想をしてみたり。

これは、しんみりとしてしまう、ゾンビ映画“あるある”ですよねぇ。

臆病であるがゆえに生き残れたコロンバスですが、それは幸せだったのでしょうか?

数あるゾンビ映画を見ていると、この疑問も“あるある”ではないですか? 私はよく、そう考えます。

でも、コロンバスくんは前向きです。

ルールその32、「ささやかなことを楽しめ」。

どんな世界になっても、小さなことを楽しんだり喜んだりできる彼は、生き続けられて良かったと答えそうな気がします。

ゾンビは演技を見抜けない?

憧れのハリウッド

イメージ画像

もしも、生きた人間がゾンビの真似をしたら、ゾンビたちを誤魔化すことができるでしょうか?

いや、無理でしょ。そう思っておりました。

しかし、そんな私の思い込みを打ち破る人が『ゾンビランド』にいたのです。

なんと、本人役で出演の、ビル・マーレイ(笑)

彼は、ゾンビメイクをほどこし、ゾンビの中に混じって出歩いていました。

「ゾンビは共食いしないだろ?」

って、そりゃ、そうですけど。あなた生きてますよね? 人間ですよね?

しかも、食料調達とか切羽詰まった理由から出歩くのではなく、ゴルフに行くためって、笑えます。

だけど、メイクしただけの人間を、ゾンビは見抜けないものでしょうかね?

本能剥き出しのゾンビたちだから、真似だけなんて、バレそうな気がするのですが。

たとえば、緊張からの発汗、その独特の匂いでバレるとか。

生きている人間には体温があるわけで、その熱で気づかれるとか。

そんな動物的カンが、ゾンビにはあるんじゃないの?

それとも、死んでいるから鼻も利かないし、熱も感じないし、バレないもの?

『ショーン・オブ・ザ・デッド』という映画でも、ゾンビの振りをしつつ、ゾンビの群れの中を歩くシーンがありましたが、最終的にはバレていましたね。

やはり、ビル・マーレイほどの演技力? 度胸? がなければ無理ということなのかもしれません(笑)

家族誕生 なんと清々しいゾンビ映画よ

コロンバス青年は、彼の言葉で言えば、「以前は他人をゾンビのように避けていた」そうです。

彼はいつも独りだったと。

家族でさえ、あまり好きではなかったと。

でも、故郷が消失したと知って、それは、やはり悲しかったわけで。

もしかすると、コロンバスの中では、平和だった時代になにも努力しようとしなかった自分に対する、後悔とか怒りがあったかもしれません。

しかし、皮肉なことかもしれませんが、世の中がゾンビランドとなって、かつてないほどの必死さで生きているうちに、彼は家族を手に入れました。

タラハシーと、ウィチタ・リトルロック姉妹が、彼の家族です。

皮肉でもなんでも、コロンバスが、他人に愛着を持つことができるようになったことが嬉しい。

彼が誰かから愛されたことが嬉しい。

世界がゾンビランドであることは変わっていません。

ゾンビに汚染されていない土地は幻想でしたし、現実は厳しいままです。

でも、コロンバスも、コロンバスの新しい家族も、みんな無事でした。

最後に、コロンバス青年は、希望があると言いました。

家族がいて、ささやかなことを楽しめるなら、確かに希望はある。

軽く言い切るコロンバスが、とても清々しく感じたのでした。

スポンサーリンク

映画情報

製作年/2009年
製作国/アメリカ
監 督/ ルーベン・フライシャー
出 演/ウディ・ハレルソン/ジェシー・アイゼンバーグ/エマ・ストーン/アビゲイル・ブレスリン

日本での初公開年は2010年です。

続編があって『ゾンビランド:ダブルタップ』という題名です。10年後の2019年公開。

こちらは一作目よりコメディ色が強いです。

一作目はコメディとシリアスのバランスが絶妙だったと、続編を見て感じたのでした。

こちらのゾンビ映画もおすすめです。よろしかったらどうぞ。
ロンドンゾンビ紀行』……おじいちゃん大活躍映画
アイアムアヒーロー』……おたく大活躍映画

ビル・マーレイ出演映画です。本人役ではないですけど、ムービー・スターであることに変わりなし。
ロスト・イン・トランスレーション』……中年の危機映画

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました