笑って感動できるゾンビ映画です(笑)
コメディなのに、見終わった後の清々しさに笑ってしまいました。
そんな『ゾンビランド』の感想を語り合えたら嬉しいです。
まだ見ていない方も、よかったらお付き合いください。
ただし、ネタバレ・あらすじも含みますので、お嫌な方は、ここまででお願いいたしますm(._.)m
映画『ゾンビランド』ネタバレ感想
あらすじがおぼろになってしまっている&見ていない方のために、簡単なあらすじを。
臆病者こそが勝者? ゾンビ映画あるあるネタ満載
またまた、世界中がゾンビだらけとなりました(笑)
コロンバス青年は、学生寮で一人暮らしをする大学生です。
テキサスで生き残っているのはコロンバスだけらしいのですが、強そうには見えないし、自分でも「神経質で腸が弱い」と言っています。
実際、彼は、よくトイレに行きます。ゾンビに襲われる確率が高くなる場所ですが、こればかりは行かないわけにはいきません。
そんな彼が生き残ったのは、自分に課したルールを遵守しているからです。
その数、なんと32。よく覚えていられますよね。
そして、このルールが“あるある”で笑ってしまいます。ゾンビ映画なのに、ゾンビ映画をからかっているのが面白い。
例えば、ルール2の「二度撃ち」。
そうそう! 確実に頭を狙って撃たなきゃダメなんですよね。
胸辺りを撃って、一見やっつけたように見えても、また起き上がったりするのがゾンビです。
仕留めたと思って近づいて、食われてしまう人を見ると、「もう! これまでのゾンビ映画から何を学んでいたのよ!?」と思ってしまいます。
また、ルール11の「静かに行動」。
これも、山ほどのゾンビ映画から、ゾンビは音のするほうに寄ってくることが分かっています(笑)
なのに、うるさくする人とか、なんなの!?って感じですよ。
他にも、準備体操をするというルールがあるのですが、これを、ゾンビと一戦交えるかもという時に、コロンバス青年は真剣にやります。
タフガイのタラハシーから「マジか」なんて言われちゃいますが、いいじゃないですか。ねぇ?
なぜコロンバスくんがモテなかったのか、本当に不思議です。すごくかわいい男性なのですが、たぶん、若い子たちには分からない良さだったのでしょうね……。
ゾンビがあふれる異常な世界になる前から、彼にとって、世界は楽しいものではありませんでした。
友達も彼女もおらず、遠く離れた家族とも仲が良くなくて疎遠。
でも、世界がゾンビランドとなってしまい、彼は以前の世界を懐かしみます。
もし昔のような世界に戻ったら、なんて、虚しい空想をしてみたり。
これは、しんみりとしてしまう、ゾンビ映画“あるある”ですよねぇ。
臆病であるがゆえに生き残れたコロンバスですが、それは幸せだったのでしょうか?
数あるゾンビ映画を見ていると、この疑問も“あるある”ではないですか? 私はよく、そう考えます。
でも、コロンバスくんは前向きです。
ルールその32、「ささやかなことを楽しめ」。
どんな世界になっても、小さなことを楽しんだり喜んだりできる彼は、生き続けられて良かったと答えそうな気がします。
ゾンビは演技を見抜けない?
もしも、生きた人間がゾンビの真似をしたら、ゾンビたちを誤魔化すことができるでしょうか?
いや、無理でしょ。そう思っておりました。
しかし、そんな私の思い込みを打ち破る人が『ゾンビランド』にいたのです。
なんと、本人役で出演の、ビル・マーレイ(笑)
彼は、ゾンビメイクをほどこし、ゾンビの中に混じって出歩いていました。
「ゾンビは共食いしないだろ?」
って、そりゃ、そうですけど。あなた生きてますよね? 人間ですよね?
しかも、食料調達とか切羽詰まった理由から出歩くのではなく、ゴルフに行くためって、笑えます。
だけど、メイクしただけの人間を、ゾンビは見抜けないものでしょうかね?
本能剥き出しのゾンビたちだから、真似だけなんて、バレそうな気がするのですが。
たとえば、緊張からの発汗、その独特の匂いでバレるとか。
生きている人間には体温があるわけで、その熱で気づかれるとか。
そんな動物的カンが、ゾンビにはあるんじゃないの?
それとも、死んでいるから鼻も利かないし、熱も感じないし、バレないもの?
『ショーン・オブ・ザ・デッド』という映画でも、ゾンビの振りをしつつ、ゾンビの群れの中を歩くシーンがありましたが、最終的にはバレていましたね。
やはり、ビル・マーレイほどの演技力? 度胸? がなければ無理ということなのかもしれません(笑)
家族誕生 なんと清々しいゾンビ映画よ
コロンバス青年は、彼の言葉で言えば、「以前は他人をゾンビのように避けていた」そうです。
彼はいつも独りだったと。
家族でさえ、あまり好きではなかったと。
でも、故郷が消失したと知って、それは、やはり悲しかったわけで。
もしかすると、コロンバスの中では、平和だった時代になにも努力しようとしなかった自分に対する、後悔とか怒りがあったかもしれません。
しかし、皮肉なことかもしれませんが、世の中がゾンビランドとなって、かつてないほどの必死さで生きているうちに、彼は家族を手に入れました。
タラハシーと、ウィチタ・リトルロック姉妹が、彼の家族です。
皮肉でもなんでも、コロンバスが、他人に愛着を持つことができるようになったことが嬉しい。
彼が誰かから愛されたことが嬉しい。
世界がゾンビランドであることは変わっていません。
ゾンビに汚染されていない土地は幻想でしたし、現実は厳しいままです。
でも、コロンバスも、コロンバスの新しい家族も、みんな無事でした。
最後に、コロンバス青年は、希望があると言いました。
家族がいて、ささやかなことを楽しめるなら、確かに希望はある。
軽く言い切るコロンバスが、とても清々しく感じたのでした。
映画情報
製作国/アメリカ
監 督/ ルーベン・フライシャー
出 演/ウディ・ハレルソン/ジェシー・アイゼンバーグ/エマ・ストーン/アビゲイル・ブレスリン
日本での初公開年は2010年です。
続編があって『ゾンビランド:ダブルタップ』という題名です。10年後の2019年公開。
こちらは一作目よりコメディ色が強いです。
一作目はコメディとシリアスのバランスが絶妙だったと、続編を見て感じたのでした。
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『ロンドンゾンビ紀行』……おじいちゃん大活躍映画
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